2024年9月の記事一覧
子ども達主体で開催した第2回校内タイピング大会 ~千葉県柏市大津ケ丘第一小学校~ 【『らっこたん』活用レポート】
―校内タイピング大会」を行うこととなった経緯や理由を教えてください。
佐和先生:
子どもたちが端末を日常的に使い、自己決定・自己調整していく教育が着々と進んでいますが、その際必要になるのが「キーボードで高速入力できるスキル」だと感じています。
例えば、授業中にメモを取る場合、鉛筆でもよいのですが、端末を利用した方がよいこともあります。そう考えるとタイピングスキルの向上は、学校全体の問題として捉えるべきだと思っています。
日常的に端末でタイピングをすることで入力スキルが伸びていくことは、校内で行った調査や文科省の情報活用能力調査の結果などからわかっています。しかし、追跡調査を行うと、その後伸び悩みがあることもわかっています。その理由は「我流のタイピング」を行っていること、タイピング練習の意欲低下が考えられます。
※文科省 情報活用能力調査の結果 小学生平均文字入力数 15.8文字
そこで「我流のタイピング」に対しては正しいホームポジションを意識しタッチタイピングを習得することが大切だと思いました。
また、タイピング練習の意欲低下に対しては意欲を向上させるために校内タイピング大会を行うのがよいと考えました。
令和5年度にタイピング大会を実施したのですが、今回はGIGAホームページ委員会の子ども達より「またタイピング大会を行いたい」と要望があったため、教育ネットに相談し、子どもたち主体で大会内容を考えてもらうこととなりました。
―タイピング大会の実施内容を教えてください。
佐和先生:
柏市は1・2年生がiPad、3年生からキーボード付き端末(chromebook)を使用するので、タイピング大会の対象学年は3年生以上とし、2024年7月8日~15日で大会を実施しました。第1回では表彰は総合得点(入力文字数)のみでしたが、練習の成果も表彰するために、前回との比較で伸び率が高い子を各学年3位までを表彰する新たな賞を設置しました。
―民間企業とどのようにコラボしたかついて教えてください。
佐和先生:
今回の大会では表彰順位や賞状・参加賞の有無、副賞の内容などについてを、GIGAホームページ委員会の子どもたちに考えてもらい、コラボした教育ネットとオンラインや対面で打合せを実施してもらいました。
上位入賞者には副賞として3Dプリンタで作成されたらっこたんやキーホルダーなどを渡すことになり、教育ネットに用意してもらいました。
なぜそこまでしてもらえたのかというと、
「副賞を用意するなど協力をする代わりに、大会の様子を広報に利用させていただきたい」
という理由を教育ネットから直接子どもたちに伝えてもらいました。こうすることで、子どもたちには社会の仕組みなどを知る機会にもなりました。
<GIGAHP委員会の子ども達からの意見や感想>
―企業との打ち合わせを行って、どのようなことを感じましたか?
子どもたち:
・企業との打ち合わせで、表彰のことや景品まで一緒に考えてもらってすごく良かったです。とても大変な時間を使って学校に来てくださったり、打ち合わせをしてくださったりしていただき本当にありがとうございました。
・事前に質問を考えておいたり、聞かれそうなことを予想したりしてどう答えるのか考えることが大切だと感じました。
・初めて企業の人と話したので緊張しました。
―一緒に景品を企画するという体験はどうでしたか?
子どもたち:
・どんなものを景品としてもらったら嬉しいのか、1〜3位の人だけにあげるのか、それとも参加した人にも景品をあげるのかということを考えながら、企画したのでとても楽しかったです。
・見本を持ってきてくださったり、プリントでわかりやすくしてくださったり、景品を「これでお願いします。」と言ったら、いいお答えをしてくださり本当に嬉しくて考えやすかったです。
・みんなが喜ぶものを企画したりするのは、大変でした。
教育ネットとの打ち合わせの様子 左:オンライン 右:対面
―大会時の子ども達の様子を教えてください。
小澤先生:
朝学習の時間を使って2回ほど一斉に大会コンテンツにチャレンジしてもらいました。さらに良い記録を目指そうと休み時間や家庭でも意欲的に取り組む様子が見られました。
タイピング大会の様子
<大会入賞者からの意見や感想>
―どのようなことに気をつけて練習をしましたか?/前回とくらべて、どのようなことに気をつけて練習しましたか?
子どもたち:
・キーボードを見ないで、正確に練習すること。
・指の位置を間違えないようにしました。
・打ち間違いがないように練習をしました。正確さと速さどちらも頑張りました。
・スピードよりも正確性を意識して練習しました。
―表彰されたときの気持ちを教えてください。
子どもたち:
・毎日練習してよかったなあと思いました
・今回も1位を取れて嬉しい気持ち、また大会が開かれるなら、自分の中の新記録を出せるように努力したい。
・少し正答率が低かった(97%)ので次は100%で1位を取りたい。
・3年生の時も3位だったので少し悔しかった。
・去年は2位だったので、1位になれてとても嬉しかったです。
・自分が表彰されるとは思ってなかったから、嬉しかったです。
表彰の様子
―子ども達主体での大会を実施して、どのような変化や効果がありましたか?
小澤先生:
今回はGIGAホームページ委員会の児童が中心となってポスターの作成、放送での呼びかけ、さらには記念品の打ち合わせまで経験させていただいたことが自信につながったようです。
小林先生:
児童主体で素敵な景品を準備していただいたので、参加児童も意欲や達成感につながったと思います。前回の成績と比較できることもとてもよく、回数を重ねるごとにより効果が高まると感じます。
―今後もタイピング大会を継続して行いたいですか?
佐和先生:
これまで2回タイピング大会を実施しましたが、同じ学年の中でもスキルの個人差あり、その差が大きいことがわかりました。スキルの個人差が大きいと、協働的な学びをクラウド上で行うことは難しくなります。今後はこの個人差をどうやって少なくしていくかが課題です。
そのために、継続してタイピング大会を実施や『らっこたん』の活用を図ることを考えています。